いびきに悩んでいる方の中には、「いびきの原因は遺伝なのか?」と疑問を持つ方も多いでしょう。この記事では、遺伝といびきの関係について徹底的に解説し、あなたの悩みを解消します。さらに、睡眠時無呼吸症候群が遺伝するかどうかもカバーし、より深い理解を提供します。




記事を読んで得られる3つのこと
- いびきが遺伝によって起こるメカニズム
- いびきと遺伝の関係の対策法!
この記事は、睡眠健康指導士上級資格を持ち、25年以上の睡眠外来勤務経験を持つ執筆者が、信頼できる情報に基づいてお届けします。記事を読み終えた後には、いびきの原因とその対策についての理解が深まり、質の高い睡眠を手に入れるための具体的なステップを踏み出すことができるでしょう。
最後までお読みいただければ、いびきの原因をしっかり理解し、より良い睡眠生活を送るための知識を得られるはずです。
いびきが遺伝に関係している理由とは?
上気道の形状・構造が遺伝するから(まずこれでしょうね!)
基本的に身体の構造は親から子に遺伝しやすくなる事が多くて、当然体内の構造も遺伝して類似する事も珍しくないんですね。
で、いびきの話に移るんですが、いびきは空気の通り道である上気道が狭くなってしまう事で、呼吸時に粘膜や軟部組織が振動して音を発する現象になりますので、この内容を踏まえて話を進めていくと「気道の狭さ」や「軟口蓋(軟口蓋)・扁桃(へんとう)・あごの形」などは遺伝しやすくて、家族間で似た特徴を持ちやすい事が分かってます。(沢山の患者様と関わってる医療従事者は分かるはず)
勿論それ自体が原因でなくても、他の要因によって上気道が狭めてしまっていびきを発してしまう原因が出てくるので、実際にどんな遺伝による要因があるのか?を簡単に以下に説明していきますね。
・下あごが小さい(小顎症)
・扁桃腺が大きい
・鼻中隔の湾曲(鼻の中の仕切りが曲がっている)
・舌が大きい
肥満体質も遺伝しやすい
結構思っているでしょうけど、例えば友達の家に行った時にお母さんかお父さんが同じような体系しているとか、子供が同じような体系しているとかって見た覚えはありませんか?
家族を含めて合う状況が多い業種(医療系や介護系)では、見る頻度が高いです。
で、何が言いたいのかというと肥満の体質は遺伝的な影響を受けやすくて、両親や兄弟に肥満の傾向があると同じような傾向を持ってしまう可能性があるので、首回りや喉の周囲に脂肪が付いてしまう事で気道が圧迫されて、睡眠中の呼吸が妨げられます。(実際に肥満はいびきの大きな要因でもあるので)
で、肥満の程度にもよるんですが、首回りの脂肪が特に多い場合はいびきを通り越してしまって、睡眠時無呼吸症候群のリスクも十分に高いし、実際にそれで悩まれている人も少なくはないのかなと思っています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)も遺伝しやすい傾向がある
実は睡眠時無呼吸症候群自体も家族内発生率が高い事で知られていまして、特に閉塞型の睡眠時無呼吸は遺伝性が指摘されているんですね。
睡眠時無呼吸とは何?って方へ、簡単に言うと重度のいびきや呼吸が一時的に止まってしまうタイプがその可能性があります。
基本的に原因としては体型や上気道の問題が重なっている事が多いんですが、その中でも寝る前の生活習慣行動が睡眠時無呼吸症候群に影響しやすい場合も遺伝している可能性はあります。
「ストレスを強く感じて身体に影響しやすい」「食生活に問題があって脂肪が付きやすい」「アルコールを飲む習慣がある」とかですね。(生活習慣については次で詳しく話します)
行動パターンや生活習慣も親から受け継ぎやすい
これに関しては以前働いていた睡眠外来の簡単なヒアリングで分かった事ですが、以下の事から親や兄弟の習慣が引き継ぎやすい方が多かったですね(遺伝とは若干違いますが、家庭観で受け継がれた習慣として説明させていただきます)
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飲酒習慣(就寝前の飲酒はいびきを悪化させるのですが、家庭によっては量が多かったり寝酒に近い位のタイミングで飲酒される方もいます。)
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食生活(家庭の中では重すぎる高カロリー・高脂肪の食事を頻回に摂取されている所もあって、それが家族全員の肥満の要因となってしまってますね。)
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睡眠姿勢(仰向け寝自体が問題というよりは、枕の高さの問題で親が高い枕を使っている方という感じで子も高さがある枕を使うとかですね。)
など、親から子へ「行動パターン」も受け継がれやすく、生活習慣的ないびきリスクも間接的に“遺伝”していると言えます。
いびきが遺伝に関係している場合の具体的な対策
体重管理(特に首まわりの脂肪を減らす)
例えば遺伝的に顎が小さかったり気道が狭いといった骨格的原因がある場合は、肥満で太ってしまっていると気道が更に圧迫されやすくなって「いびきも悪化してしまう」ので、それを踏まえて対策をしていきましょう!
対策法としては簡単に言ってしまうと「体重の管理」はいびきの根本治療をしていく中で避けて通れないものとなっていますので、健康的な意味でいびきを根本的に治したいという場合は実施するべきだと思います!(いびきだけではなくて、睡眠の質自体も上げる事が出来るので、起きてからの集中力の低下の防止にもなるし、疲れやすい体質からの脱却もできますよ!)
具体的に話に目標と例を話していきますが、目標としては「体脂肪尾率を標準範囲に維持(男性15~20%、女性20~25%)」、注意点としては「首回りのサイズが40cm以上ある人は特に気を付ける」、手軽に続けやすい方法(私がいろんな運動を行った中で気楽に続けやすいものを抜粋しました)としては「有酸素運動でウォーキングから始めて、どんどん動きが軽いと思ってきたら水中のウォーキングや実際に泳いでみても良いでしょう!それを週に3回行う」っていった感じで行うのを推奨しています。
で、実際に体重管理というよりも首回りの脂肪を減らすだけでも、いびきの音が軽くなるケースは多いので、もし体重管理をする上で首回りのダイエットについて詳しく知りたいという場合は、詳しく書いている記事があるので、是非そちらを読んで参考にしてみてくださいね。
横向き寝を習慣化する
いびきが起きやすい姿勢として多い仰向けで寝ると、舌や軟口蓋が重力で喉側に落ち込み、気道が狭くなります。遺伝で気道が狭い人には特に重要な問題になるので、それを踏まえたうえで対策をしていきましょう。
対策法としては「いきなり横向き寝になると寝ずらいと思うので、抱き枕を使って横向き寝をサポートするような仕組みを使って寝るようにしましょう」「背中にテニスボールを入れたパジャマを着て仰向けをしない状態にする」「横向きでも首が下がらない様に枕の高さは首が真っすぐになるものを選ぶ」といった感じで、自然と横向き寝に移行して慣れやすい状況を作っていく事が重要ですね。
実際に横向き寝にするだけでも大半のいびきが防げることが多いので、もし現在いびきで悩んでいて仰向きに寝ている方は今日から是非試してみてくださいね。
※横向き寝に関しては注意点も含めた詳しく書いている記事があるので、試す前に是非こちらを読んで参考にしてみてくださいね。
鼻呼吸を促すための工夫(口呼吸の防止)
遺伝的に鼻中隔湾曲や鼻腔が狭い人は口呼吸になりやすく、それがいびきの原因になります。
実際に鼻の問題によっていびきをかいている人は口呼吸になっている人が多いので、その口呼吸に対しての対策をどうするのか?といった内容を分かりやすく以下にまとめています。
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鼻腔拡張テープ(例:ブリーズライト)を使用
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寝室の加湿(湿度50〜60%をキープ)
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就寝前に鼻うがいや生理食塩水スプレーで鼻の通りをよくする
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鼻詰まりが慢性的なら耳鼻科で検査を受ける(鼻中隔矯正手術なども検討)
私個人の意見で言うと鼻に問題があるなって思った段階で、一度耳鼻科を受診して相談した方が良いとは思います(花粉症やアレルギーの原因の場合もあるので、その対策としては薬で対応するしかありません)
飲酒・睡眠薬の使用を見直す
アルコールや睡眠薬は、のどの筋肉をゆるめてしまい、遺伝的に狭い気道をさらにふさぎやすくします。(結構睡眠外来に受診されている患者様で睡眠薬を服用する事によっていびきが発生しやすくなったとは伺ってますね。)
具体的対策法(以下に記述しています)
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就寝3時間前以降の飲酒を控える
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睡眠薬を使用している場合は医師に相談し、いびきへの影響を確認
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代替として、ハーブティーや温浴でリラックスする方法に切り替える
私の個人的な意見ではありますが、睡眠の質が下がったり寝ても疲れが取れないという自覚がある場合は基本的に禁酒する事をおすすめしてますし、睡眠薬によっていびきが出ているという場合は、放置をせずに相談するべきですよ!
専門医の受診と医療機器の活用
家族に重度のいびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)の人がいる場合は、自分もそのリスクを抱えている可能性が高いため医療機関での相談が重要です。
具体的な対応の種類を以下に書いています。
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睡眠外来で簡易検査(自宅での睡眠検査機器あり)
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中等度以上の無呼吸が見つかったら「CPAP(シーパップ)」治療を検討
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顎や口腔の構造が原因なら「マウスピース(スリープスプリント)」も選択肢
もし睡眠時無呼吸症候群の治療を検討しているけど初めてという方は、詳しく書いている記事があるので是非こちらを読んでくださいね!
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最後に
いびきと遺伝の関係について詳しく解説しました。いびきの原因や対策を理解し、改善に役立ててください。
- いびきは遺伝する可能性がある
- 骨格や生活習慣が影響する
- 睡眠時無呼吸症候群にも遺伝が関与
いびきは生活の質に影響を与えますが、適切な対策を取ることで改善が可能です。家族歴がある方は早めの対処を心がけましょう。