「喘息やいびきが気になって、どう対処すればいいか悩んでいませんか?」
喘息といびきは多くの人が抱える問題であり、これらが健康にどのような影響を与えるのか不安に思っている方も多いでしょう。
本記事では、喘息といびきの関係や、睡眠時無呼吸症候群との関連性、さらに喘息が原因のいびきに対処する方法について詳しく解説します。




■記事を読んで得られる内容
- 喘息といびきの関係性を理解し、なぜ併発しやすいのか?
- 喘息といびきの問題を改善する具体的な方法
■本記事の信頼性
本記事は、睡眠健康指導士上級取得者であり、睡眠外来勤務25年以上、睡眠コンサルタント資格も取得している専門家によって執筆されています。豊富な知識と経験に基づいた情報を提供しますので、安心してお読みいただけます。
この記事を読み終える頃には、喘息やいびきに関する不安が解消され、日常生活での改善策を実践することで、快適な睡眠を手に入れることができるでしょう。ぜひ、最後までご覧ください。
喘息といびきの両方に効果がある対策
どちらも「気道の狭さ」が関係する
いびきとぜんそくの関係性を説明していく前に、実は最初に行っておく事があってどちらの症状も気道と言って空気の通り道自体に問題がある事で起こってしまうんですね。
いびきと喘息が起こる際の気道の問題をそれぞれ以下にまとめておきますので、知識程度に覚えておきましょう!
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いびき:上気道(のどや鼻)が睡眠中に狭くなり、空気の流れが乱れて音が発生
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喘息:下気道(気管支)が炎症や収縮によって狭くなり、息苦しさや咳、喘鳴(ぜーぜー音)が出る
要は「気道が狭くなる」という根本的な原因が共通しているので、いびきをかいている人は喘息のリスクが高まりやすく喘息のある人はいびきをかいやすいという相関関係があるという風に覚えておいてくださいね。
喘息がいびきを悪化させる理由
さて本題に入っていくのですが、何故喘息を持っている人がいびきをかきやすいのか?って気になっていると思うんですが、実はこれもしっかりとした理由があるんですよね。
では喘息を持つ人がいびきをかく理由として以下にまとめておきますので、読んでいきましょう!
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夜間の気道炎症:喘息は夜間に悪化しやすく、寝ている間に気道が狭まり、呼吸が乱れることでいびきにつながる。
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鼻づまりを併発しやすい:喘息の人はアレルギー性鼻炎を併発することが多く、鼻呼吸がしづらくなると口呼吸になり、いびきが発生しやすくなる。
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副交感神経優位の影響:夜間は副交感神経が優位になり、気管支が収縮しやすいため、呼吸が浅くなり、いびきを助長する。
といった感じですが、私は喘息ではないので主観的要素は話せないですが、実際に以前働いていた睡眠外来の患者さんで喘息の発作が原因でいびきが発生したという事例はありましたね。
いびきが喘息に悪影響を与える可能性もある
先ほどは喘息の発作によっていびきが発生してしまう事を言いましたが、実はいびき自体も喘息に悪影響を与えてしまう可能性があるんですね。
特に慢性的ないびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)があると、以下のように喘息の症状が悪化することも勉強会の時に呼吸器外来の先生が言われてましたね。
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低酸素状態が喘息を誘発:無呼吸状態により酸素が不足し、喘息発作を誘発することがある。
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睡眠の質の低下:いびきにより睡眠が浅くなると、免疫力の低下や気道の炎症が長引きやすくなる。
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夜間覚醒が増える:SASによって夜中に何度も目覚めると、喘息発作時の不安感やストレスが高まりやすくなる。
こういった理由から喘息がらみの呼吸器の方の勉強をする事が多いんですよね。(いびきではなく、喘息発作自体の不眠の相談もありましたので)
統計データ・研究による根拠
実際にいびきと喘息の関係についてなんですが、上記に書いただけだとピンと来にくいと思うので、実際に私が調べれるだけの統計データを調べたので、これを共有しておきますね。
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某国呼吸器学会の調査によると、喘息患者の約40%がいびきをかく傾向があり、そのうち半数以上が睡眠の質に問題を感じていると報告されています。
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アメリカの研究(Chest誌 2010年)では、SASのある人は喘息の発作リスクが約1.8倍高いとする報告があります。
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また、喘息とSASを併発している人は、治療されていないSASが喘息のコントロール不良の一因となっているケースが多いことが示されています。
ほら、これ見ると凄く関係性が深いって分かりますよね?喘息患者の半数がいびきのリスクがあり、睡眠時無呼吸症候群の人は喘息の発作リスクが1.8倍高いので決して軽く考えていい問題ではないんですよ。
喘息といびきの両方に効果がある対策
睡眠環境の改善
これは勉強会の時に言われていた事ではあるんですけど、喘息の方をはじめ気道の炎症を起こしやすい方って睡眠環境が悪い人は結構多いんですよね。
何故こういう事を言うのか?って事なんですが喘息もいびきも睡眠時の環境が大きく関係しているからなので、それに対しての対策を以下にまとめているので是非読んでみましょう。(勉強会での講義で知った内容を基に書いています)
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寝室のホコリ対策
ハウスダストは喘息を悪化させるだけでなく、鼻づまりを引き起こし、口呼吸・いびきにつながります。(喘息ではなくても気を付けてください!)
⇒ こまめな掃除・空気清浄機の設置・布団のダニ対策(防ダニカバーなど) を実施。(そしてエアコンのクリーニングを年1くらいでやりましょう) -
湿度管理
喘息持ちは乾燥すると咳が出やすくなり、いびきも悪化しやすいです。
⇒ 加湿器を使って湿度を40〜60%に保つ。
※湿度や温度の関係について気になる方はこちらの記事を読んで参考にしてくださいね。
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寝具の見直し
低すぎる枕は気道が狭くなりやすく、喘息・いびき両方に悪影響です。
⇒ 首と背中のラインが自然に保たれる枕 を選びましょう。
まず部屋が散らかっている、普段あまり掃除をしない方は気道炎症のリスクが高いので、その状態で湿度や寝具の対策をしても部屋の汚れによるダニやハウスダストによる気道炎症のリスクが残っていると意味が無いので、最初に部屋の中を綺麗にするところから始めてくださいね!
喘息に特化した対策
これは実際に勉強会で挙げられた内容ではあるんですが、実際にいびき外来でもアドバイスに使われていたので共有する為に、喘息に特化した対策法を書いておきますね。
①医師に処方された薬を正しく使う:吸入ステロイドやβ2刺激薬の定期使用によって炎症を抑えて夜間の関谷発作を防ぐ事が出来て、いびきにも実は間接的な効果がありますよ。
②アレルゲン(アレルギーの原因)を避ける:花粉・ペットの毛・ダニ・カビなどのアレルゲンが喘息と鼻詰まりを引き起こしてしまって、それがいびきの引き金になってくるので、マスク着用や帰宅後の洗顔やうがい・空気清浄機の使用などで対処していきましょう
③呼吸訓練:呼吸を整えるトレーニングによって肺活量と呼吸のリズムを改善する事が出来ますので、方法としては腹式呼吸を習慣化する事になります。
いびきに特化した対策
こちらはいびきに特化した対策ではありますが、基本的に私のブログのいびきの対策の内容を観て頂ければ大丈夫なので一応リンクだけ貼っておきます!
・肥満はいびきの最大要因です。特に首まわりの脂肪が多いと気道が狭くなります。
⇒ 5〜10%の減量でもいびきの大幅改善が期待できます。
首回りの脂肪を落とすだけでいびきの改善が出来るについての記事があるので、是非こちらを読んでください!
・そしていびきの状態によっては病院に行って対策をする方がいいでしょう!(行って対策する事で改善する方が多いですよ)
※いびきについて病院に行くのが初めてでどうすればよいか分からないという方はこちらの記事を読んでください!
※病院での治療内容で多いCPAPについて詳しく書いている記事があるので、興味がある方は是非読んでみて下さいね。
最後に
まとめとして、喘息といびきの関係について理解を深めることができたと思います。睡眠時無呼吸症候群との関連や改善策を実践することで、健康な呼吸と快適な睡眠を取り戻す一助となるでしょう。以下に重要なポイントを再確認します。
- 喘息はいびきの原因となる
- 無呼吸症候群と喘息の関連性
- 改善策として生活習慣の見直しが必要
- いびきの状態によっては専門医の受診が必要です
これらを参考に、日常の改善を意識してみてください。