「顎が小さいことでいびきが気になる」「顎の形と睡眠にどんな関係があるのか知りたい」というお悩みをお持ちではありませんか?この記事では、顎が小さいことでいびきをかきやすくなる理由や、その対策について詳しく解説します。
睡眠時無呼吸症候群との関連も含め、信頼できる情報をもとに解説していますので、この記事を読むことで以下のポイントをしっかり理解できるはずです。




記事を読むと得られる内容
- 顎が小さいことがいびきに与える影響
- 顎が小さいことでいびきが起こる際の対策
記事の信頼性
本記事は、睡眠健康指導士上級資格を持ち、睡眠外来で25年以上の経験を積んだ筆者が執筆しています。また、睡眠コンサルタント資格も有しており、信頼できる情報をお届けします。
この記事を最後まで読むことで、顎の小ささが引き起こすいびきや無呼吸症候群への理解が深まり、改善策を知ることで、快適な睡眠を取り戻すための第一歩を踏み出せるでしょう。
顎が小さいことがいびきに与える影響(原因)
解剖学的原因:下顎が小さいと「舌が後退」しやすくなる
身体の構造的視点で話していくんですけど、人間の舌は下顎の内側である顎舌骨筋という筋肉に支えられて位置を保っていますが、顎が小さかったりすると実は下の収まるスペースが狭くなってしまって、自然と舌が後方である喉側へズレやすくなるって感じですね。
そして睡眠中に下の筋肉が緩んでしまう事によって、この舌が更に奥に落ち込んでしまって喉(上気道)をふさいでしまうんですよ。
これを分かりやすく流れで説明していくと「顎が小さい→下の位置が本来よりも後ろ寄り」→「寝ている間に舌が落ちてくる→気道が狭くなる」→「空気の通り道が狭くなってしまって呼吸の度に喉が振動→いびきが発生」といった流れで起こってしまう訳なんですね。
なので、顎が小さいだけでいびきってかくの?って思ってる方も、解剖学的な解説で少しは「あっそうなんや!」ってなってくれたかと思うので、そのまま説明を進めていきますね。
上気道構造の制限:空気の通り道が狭くなっている
次は以前働いていた病院の勉強会による資料を基に話していくんですが(医療器具をつかった内容の為)、CTスキャンやMRIなどの研究によって、顎が小さい人は気道(咽頭腔や軟口蓋周辺)の断面積が健常者より狭いことが確認されているって言われたんですね。(勉強会で言われるまで私も知りませんでした)
そして具体的な数字を出されたので書いてみますが、、。
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正常な下顎の人:上気道断面積(咽頭部)=平均約80〜100mm²
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小顎・下顎後退の人:同部位の断面積=約50〜70mm²(30%以上狭い)
数字を出されると結構差に開きがあるのが分かると思いますが、この物理的な“狭さ”によって、わずかな喉の筋肉のゆるみや、粘膜の腫れなどでも簡単に気道がふさがれてしまっていびきをかきやすいって感じになるんですね!
姿勢の影響:仰向けで寝ると重力でさらに舌が落ち込む
更に驚く事に下顎が小さい人は、ただでさえ舌が喉側に寄っていますが、仰向けで寝たときに舌が重力によってさらに落ちやすくなるという問題があります。
この影響によって何が起こってしまうのかを下にまとめていくんですが
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舌根(ぜっこん:舌の根元)が喉に密着 → 呼吸時に空気が通りにくくなる
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振動音(いびき)や、完全閉塞(睡眠時無呼吸)が起こる可能性が上昇
顎が小さいだけで実はいびきもですが、翌日に疲れだったり日中の集中力の低下をもたらす睡眠時無呼吸症候群にもなりやすくなってしまうというリスクがある訳なんですね。
口呼吸への誘導:顎が小さいと口が閉じにくい
これも勉強会で学ぶ前までは全然知らなかったのですが、実際に話を伺ってみるとマジで?って言える内容だったんですね。(本当に顎が小さいだけでこんな事も不利になるの?って思いましたからね。)
顎が小さい方は結構歯並びが狭い方が多くて、口唇閉鎖力といって唇を閉じる力も弱い傾向があるんですが、これによって口を開けたまま寝る事で口呼吸になりやすくなってしまうんですね。
で口呼吸になってしまうとどうなるのか?って事を以下にまとめてみたんですが、
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喉の粘膜が乾燥し、振動しやすくなる → いびき発生
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鼻呼吸に比べて気道が確保されにくい → 無呼吸リスク上昇
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空気抵抗が増え、息が「ブー」と鳴りやすくなる → いびきの音が大きくなる
という事で悩まれている方は実は少なくはないんですよ。
睡眠中の呼吸調整能力が落ちる
実はこれも構造上の理由として出されているのですが、結構いらっしゃるので間違いはないでしょうね。
下顎が後退している人は舌が喉の奥に落ちるだけでなく、舌骨・軟口蓋(のどちんこのあたり)・咽頭部の空間構造全体が狭くなっているので、呼吸に使う筋肉が補正できる余地が小さくなっているんですね。
つまり:
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通常なら喉が狭くなっても筋肉が動いて空間を広げられる
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顎が小さい人はそもそも「広げる余白」が少ない → 呼吸補助が効きにくい
これが慢性的ないびき体質の根本的なメカニズムとなっています。
顎が小さいことでいびきが起こる際の対策
寝姿勢の改善で気道を確保する
理由としては顎が小さい人は仰向けで寝ると舌が喉の奥に落ち込んでしまうので、気道が塞がれやすくなってしまいます。
という事でどうすればよいのか?という事になりますが、横向き寝や枕の高さの調整で物理的に呼吸の通り道を広げる事が出来るので、是非実施してみましょう!
以下に実施方法を書いていますので是非(どれもいびきをかいていた時の私が試していた方法です)
横向きで寝る:右向き・左向きどちらでもOK。抱き枕の使用がおすすめで効果としては舌の重力による落下を防ぐ事が出来ます。
枕を高めにする:10〜12cm程度の高さが目安。首と後頭部を支えるタイプが理想で効果としては喉の気道を広げやすくする。
バスタオルで高さ調整:現在の枕が低ければ、バスタオルを折って下に入れるだけでも効果あり
スリープスプリント(マウスピース)の活用
顎が小さい人でいびきで悩まれている人に「なにか良いアイテムありますか?」とよく聞かれる事があるので、その時に多少お金を出していいのならって条件でしたらスリープスプリントを勧める事が多いですね。
理由としては顎が小さい人には就寝時に下顎を少し前に出すスリープスプリントといった口腔内装置が効果的でもあるし、使われた相談者の中で良かったといった声が多かったからなんですね。
効果的と書いているので、どんな効果があるの?と気になるので早速どんな効果かを下にまとめておきますね。
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下顎を前方に出すことで、舌の後退を防ぐ
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気道の幅が広がり、いびき・無呼吸の回数が減少
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歯科医院(睡眠歯科、耳鼻科連携)でオーダーメイド可能
注意点としては先ほども言いましたが多少お金を出す覚悟的な事を書きましたが、理由としては睡眠時無呼吸症候群と診断される人以外は保険適用が出来る事が無く、自費診療ではピンキリですが2万~10万円位と思っていた方が良いでしょうね。
※スリープスプリントについて詳しく書いている記事があるので、気になる人はこちらの記事を読んでみてくださいね。
鼻呼吸を促すことで口呼吸を防ぐ
顎が小さい人は原因の方にも書きましたが口が開きやすくて、口呼吸からのいびきになりがちなので、口呼吸を防いて鼻で呼吸する事がいびきの予防につなげる事が出来ますので、是非下に対策法を書いているので試していきましょう!
口閉じテープを使う:市販の専用テープを貼って寝る方法で、効果として寝ている間の口呼吸を防止する事が出来ます。
鼻腔拡張テープ:ブリーズライトなどがあり、効果としては鼻の通りを良くして自然な鼻呼吸にする事が出来ます。
鼻洗浄:サーレやネティポットなどがあって、効果としては鼻づまり・花粉症対策にも有効ですね。
※ただこの方法の注意点としてはあくまでも鼻の通りが良い正常の場合の話になるので、鼻詰まりの状態で行うと息が出来ないし無視して行うと余計睡眠の質を落としてしまうので、鼻に問題がある場合は先に鼻の治療をして改善しておきましょう。
※鼻詰まりといびきの関連について詳しく書いていますので、もし鼻詰まりの方でいびきに悩んでいる方は是非こちらを読んでくださいね。
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矯正治療・成長期の顎発育支援
これは学生の方や若い社会人の方にとって必見内容になりますが、実は10代・20代前半であれば歯科矯正による顎の拡大治療で、気道が広がりいびきが改善する可能性もあります。
どんな方法があるのかというと「拡大床(かくだいしょう)といって上顎を広げて舌のスペースを確保する器具」と「顎顔面矯正(がくがんめんきょうせい)といって顎を前方に誘導する装置(顎の成長期に有効))」といったものがありますね。
あくまでもこの方法は成長期の早期対応が重要になってくるという事だけ忘れないでくださいね!(成人後は骨格の大きな変化は困難なので)
最後に
顎が小さいことはいびきや無呼吸症候群に深い関係があります。早めの対策や専門家の相談が重要です。以下に要点をまとめますね。
- 顎の小ささはいびきの要因
- 顎の形態と無呼吸症候群は関連
- 専門家の相談をおすすめ
- 継続的な対策が重要
顎の形状に合わせた適切な対策を取り、快適な睡眠を目指しましょう。