いびきの睡眠トラブルの原因と解決法

いびきと脳卒中の関係!すぐに出来る対策|数字を使った具体的解説

「いびきが脳卒中のサインかもしれない」と聞いたことはありませんか?いびきは単なる睡眠の問題と思われがちですが、実は脳卒中のリスクと密接に関係している可能性があります。

 

 

本記事では、いびきと脳卒中の関連性について詳しく解説し、あなたがいびきに潜むリスクを知るための情報を提供します。

 

眠れないハム子
眠れないハム子
いびきと脳卒中って関係あるんですか!?
残念ながらいびきの状態によっては関係あります!下の画像にリスクの度合いを載せてみました
カワウソ睡眠先生
カワウソ睡眠先生

睡眠時無呼吸(SAS)のある人の脳卒中リスク

眠れないハム子
眠れないハム子
なんでいびきが脳卒中に関係してるか理由を教えてください!
分かりました!今回はいびきと脳卒中の関係と対策を数字を使って解説していきますね!
カワウソ睡眠先生
カワウソ睡眠先生

 

この記事を読むことで得られる2つのポイント

  1. いびきと脳卒中の関連性や原因とは?
  2. いびきと脳卒中の関連性の対策法!

 

 

記事の信頼性
この記事を書いている私は、睡眠健康指導士上級の資格を持ち、睡眠外来で25年以上の経験を積んできました。また、睡眠コンサルタントとしても活動しており、いびきや睡眠に関する多くのケースを専門的に扱っています。

 

 

 

本記事を最後までお読みいただくことで、いびきが脳卒中のリスクサインかどうかを正確に判断し、必要な対策を講じるための知識を得られます。あなたの健康を守るための第一歩を、一緒に踏み出しましょう。

 

 

いびきと脳卒中の関連性や原因とは?

 

睡眠時無呼吸による低酸素状態が脳に負担を与える

酸素飽和度が90%を下回る時間が多い人の脳卒中発症リスク

これはいびきをかいている人のご家庭の方は特に注意深く見て欲しいのですが、睡眠時無呼吸症候群と脳の負担は結構関連があるという事を知っていますか?

 

 

どういう事かというといびきをかく人の中には実は睡眠時無呼吸症候群を伴っているケースが多くみられます。

 

 

これは寝ている間にも何度も呼吸が止まる病気で、1回の停止時間が10秒以上で1時間に5回以上起きると「軽度の睡眠時無呼吸症候群」と診断されやすいですね。

 

 

そして呼吸が止まっている間で身体は酸素をうまく取り込むことが出来ないのですが、これを「低酸素血症(ていさんそけっしょう)」と言われています。

酸素は脳によっては最も重要なエネルギー減でもあるし、酸素が不足してしまうと脳細胞が酸欠状態=虚血状態に陥ってしまうんですよね。

で、最終的にこの酸素不足と回復が1晩に何十回も繰り返されると脳の血管に大きな負担がかかり慢性的な損傷が進行して、これが積み重なることで脳の血管が詰まりやすくなり、脳梗塞や脳出血を引き起こすリスクが飛躍的に高まるので非常に気を付けなければいけない事ではあるんですね。

血圧の大きな変動が血管を傷つける(脳出血リスク)

SAS患者の脳出血発症リスク(非SASの人との比較)

 

基本的な話をしていくと、通常の睡眠中は副交感神経が優位になって血圧が下がっているんですが、睡眠時無呼吸になっていると身体が窒息していると誤認識して交感神経が強く働くようになってしまうんですね。

その結果としてどうなるのか?というと心臓は強く働いて血圧が急激に上昇してしまって、そして呼吸が回復した瞬間また血圧が落ち着く・・・といったサイクルが一晩中繰り返されるって感じですね。

この血圧の乱高下の問題なんですが、脳の補足繊細な血管に深刻なダメージを与えるので、血管は何度も押されたり戻ったりしている内に弾力性を失って硬くなってしまって、破れやすくなって脳出血を起こすか、微細な裂け目が生じて炎症の原因になる事も全然あり得ます。

そして高血圧が脳卒中の最大の危険因子のひとつであることからも、いびき→無呼吸→血圧変動→脳出血という流れが起こる事は決して珍しくはないので、これも十分注意しなければいけません!

血栓ができやすくなる(脳梗塞のリスク)

睡眠時無呼吸によって血栓ができやすくなる確率男女比

また無呼吸症候群の話を引っ張るような感じになってしまうんですが、しかい脳梗塞のリスクと無呼吸症候群の因果関係がある事から、しっかりと説明させていただきますね。

 

 

実は睡眠時無呼吸症候群による酸素不足は呼吸や心拍に影響を与えるだけでなくて、血液の性質そのものを変化させてしまう事が分かっているんですね。

 

 

身体が酸素不足を感じてしまうと危険から身を守るために「赤血球」「血小板」「凝固因子」などが活性化されるのですが、これは本来はケガや出血の際に血を止めるための正常な反応ではあるけど、睡眠中に繰り返される事によって逆に血液がドロドロになってしまって流れが悪くなってしまうって感じですね。

で、最終的にどうなるのか?って事なんですが、結果的に血液中に血栓と言って血のかたまりが出来やすくなってしまいます。

この血栓が脳の細い血管に詰まると血流が途絶えてしまって、脳の一部に酸素や栄養が届かなくなって細胞が死ぬ事で脳梗塞が発生するといった最悪のケースが発生してしまうんですよね。

特に心臓から脳に向かう脳血管は非常に細いので、小さな血栓でも詰まりやすくて睡眠時無呼吸症候群の患者さんは健常者の方よりも2~3倍高い確率で脳梗塞を起こしてしまうといったデータも報告されているんです。

 

 

いびきと脳卒中の関連性の対策法!

 

睡眠時無呼吸の有無を必ず確認する(まず最優先!)

SASの早期診断と治療で脳卒中のリスクを減らす割合

 

いびきをかいている人やご家族の方に何故この記事を観て欲しいかというと、理由としていびきをかいている人の多くは自覚が無いまま睡眠時無呼吸症候群を患っている事が多くて、これを放置してしまって脳卒中になった方も珍しくない位リスクが高いんですよね(睡眠時無呼吸症候群の放置による脳卒中リスクは何と!2~4倍!)

なので対策法としては大きく3つあるので、それを観ていきましょう!

  • 睡眠外来・耳鼻科で「ポリソムノグラフィー検査」を受ける
    → 睡眠中の呼吸停止回数、酸素飽和度、脳波などを精密に測定

  • 自宅用簡易検査キット(AHI検査)で一次評価も可能

  • 日中の眠気や夜中の息苦しさがある人は要受診

 

簡単に言うと睡眠時無呼吸症候群ではなくても、いびきが続いている方がいた場合も日常に支障をきたすリスク自体も高い事から、まずは病院に行きましょう!(まずは自分自身がどのような状態かを知る必要があります!)

 

 

いびきで初めて病院の受診を検討している方で悩んでいる方は是非こちらの記事を読んで参考にしてくださいね!

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CPAP(シーパップ)療法の導入

中等度以上のSAS患者にCPAP療法を実施した場合の脳卒中発症率

いびき外来で中等度以上の睡眠時無呼吸症候群と診断された場合に用いられる最も効果的な治療法なんですが、実際にこれは私も過去にお世話になっていた時に酷かったいびきが良くなったので、非常にお勧めなものですよ!

 

 

で、CPAPというのはどういうものかというと就寝中に鼻マスクから空気を送り続ける事で気道を強制的に開いて、無呼吸を予防してくれる効果があります!

もっと具体的な効果を挙げていくと、、、。

  • 無呼吸を90%以上減少させる

  • 酸素不足・血圧上昇を防ぎ、脳血管へのダメージを軽減

  • 脳卒中・心筋梗塞の発症率を約60〜70%低下させる(アメリカ睡眠学会の報告)

 

 

といった素晴らしい効果があるのですが、勿論注意点もありますよ!

・まず使うには(保険適用の金額で使うには)医師の診断と処方がいります!(ネットでも買えますけど実費ですね)

・継続的に使わないといけないので、1日4時間以上と週5以上が推奨と言われてますが、私個人では寝てる時間と毎日が良いかなと!

・で、あくまでもCPAPは対処療法になるので、根本的な改善もしっかりとやっていきましょう(生活習慣の見直しとか)

CPAPについてはこちらの記事を参考にしてくださいね!

 

 

CPAPを使うまでもないと言われた方で、いびきをどうにかしたいという方にはこちらの記事を読んでくださいね!

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減量と生活習慣の見直し(特に肥満・高血圧のある人)

減量+禁酒・運動指導を行ったSAS患者のCPAP不要率

先ほどまで対策法を欠かさせていただきましたが、あくまでも病院の薬と同じ様に対処療法になってくるので、一番はあなた自身の改善を行う事も必要になってきます!

 

その方法というのが体型の改善や生活習慣の見直しをする事なんですよ!(当たり前のことを言ってますが凄ーく重要!)

 

 

なんでそういうことを言うのかというと、肥満の方で特に首回りに脂肪がついているタイプの方は気道が狭くなってしまって、いびきや無呼吸の原因になるのです。

 

 

また肥満自体が高血圧や糖尿病などの脳卒中のリスク要因を複数抱えてしまっているので、いびきで脳卒中も勿論ありますが肥満自体もリスクがあるので「いびきをしなくても大丈夫!ではない!」事を覚えておきましょう!

 

 

実践すべき対策として相談を受けている私の相談者の方にアドバイスをしている内容として下にまとめていますので見てみてくださいね!

  • BMIを25未満に維持(体重×身長×身長の指標)

  • 高血圧・糖尿病がある場合は専門医の管理下で治療を続ける

  • 食事改善(塩分制限、夜遅い食事の回避)

  • 毎日30分以上の有酸素運動(散歩・軽いジョギング)

 

特に習慣化してほしいものとしては食事改善と毎日の運動は意識して行った方がいいでしょう!(特に肥満の方は継続的に行いましょう!)

 

最後に

まとめとして、今回のブログ記事の要点を以下の通り箇条書きで締めくくります。

  1. いびきと脳卒中には関連性がある
  2. SASが脳卒中リスクを増大させる
  3. 突然のいびきは脳卒中のサインかも
  4. いびきやSASに早期対応することが重要
  5. 脳卒中の前兆を見逃さない対策を
  6. 早期の診察で脳卒中を未然に防ぐ

いびきが気になる方は、早めに医師に相談し、必要な対策を講じましょう。

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