いびきの睡眠トラブルの原因と解決法

いびきがお酒で悪化する原因と効果的対策法|数字を使った具体的解説

「いびきをかいてしまうのはお酒のせい?」そんな疑問を抱えていませんか?お酒を飲むと、夜にいびきがひどくなるという経験をしたことがある方も多いでしょう。

 

 

本記事では、いびきとお酒の関係性、そしていびき改善のためにお酒との付き合い方を解説していきます。

 

 

眠れないハム子
眠れないハム子
お酒を飲む事でいびきって悪化するもんですか?
勿論悪化するリスクは高まりますね!その統計データを下の画像に載せているので見てみてくださいね。
カワウソ睡眠先生
カワウソ睡眠先生

飲酒後にいびきをかいた経験がある人(調査対象:約1500人

眠れないハム子
眠れないハム子
普段私もお酒を飲むので、いびきの悪化の原因と対策を教えて欲しいです
分かりました!では今回は飲酒によっていびきが悪化する際の原因と対策を数字を使って具体的に解説していきますね。
カワウソ睡眠先生
カワウソ睡眠先生

 

本記事を読むことで得られること

  1. いびきがお酒で悪化する原因
  2. いびきがお酒で悪化した場合の対策

 

 

本記事を書いているのは、睡眠健康指導士上級取得者であり、25年以上にわたる睡眠外来の経験を持つ睡眠コンサルタントです。確かな知識と経験に基づく情報をお届けするので、信頼してお読みいただけます。

 

 

この記事を読み終えた後には、いびきとお酒の関係性についての疑問が解消され、具体的な改善策を実践して、より快適な睡眠を手に入れる未来が待っています。

 

 

いびきとお酒の基礎知識

 

 

 

アルコールのいびきに繋がる筋弛緩作用の仕組み

飲酒により上気道閉塞のリスク

これはどういう事かというとアルコールを飲酒する事によって脳のGABA(γーアミノ拡散)受容体に作用して、脳の神経活動を抑える事でリラックスや鎮静効果尾生み出す事が出来るんですね。

 

 

で、この作用は喉や舌や顎周りの筋肉にも及んで、空気の通り道でもある気道を支えている筋肉も緩んでしまうという事なんですね。

 

それによって起こる変化としては「下の奥の部分である舌根が喉に落ち込んで気道をふさぐ」「軟口蓋(のどちんこ)がたるんで振動しやすくなる」「喉の後壁が狭まってしまって呼吸時に空気の流れが乱れてしまう」といった事が起きてしまうんですよ。

なので結果として空気の通りが悪くなって「グーグー」「ガーガー」といったいびき音が発生するという事です。

補足として更に付け加えると、日本呼吸器学会によるとアルコール摂取後は上気道閉塞のリスクが2~3倍になるとも言われていて、特に仰向けで寝ると重力で舌が落ち込みやすくて余計リスクが上昇してしまうんですね。

呼吸中枢が鈍くなり脳の働きも抑制されて無呼吸が起きやすくなる

飲酒量と睡眠時無呼吸の発症率

アルコールは延髄にある「呼吸中枢(呼吸のリズムを司る部位)」の活動も抑制してしまうので、これによって呼吸のタイミングが遅れたり止まったりすることがあるんですね。

それによってどう悪化してしまうのかって事ですが、「一時的に呼吸が止まる無呼吸状態が発生」「酸素不足によって脳が覚醒して呼吸を再開する」「そのタイミングで大きないびき音と共に息を吸う」といった現象が繰り返される事によって、断続的ないびきや苦しそうな呼吸音となってしまうんですよ。

 

 

でこれによって翌日に疲れが取れないって事に繋がってしまう訳なんですよね(まあアルコールを飲んで寝てしまう事で睡眠の質を下げてしまうので、結果熟睡感を得る事は少ないです)

お酒は睡眠の質が悪化しいびきが目立ちやすくなる

お酒によって睡眠の質が悪化しいびきをかく確率のコピー

これは睡眠コンサルの相談の時に良く聞かれる事ではあるんですけど、「お酒って飲んだらよく眠れますよね?」っていう人がいるんですよね。

 

 

ただ、これについては正確に言ってしまうと寝つきが早くなっているだけで、実際には睡眠の質自体は大きく下がっているんですね。(実際に入眠しやすいから眠れると誤解している方は多いですね)

 

 

でアルコールを摂取する事で起こる睡眠の質といびきの問題で実際に起こる事としては、「深いノンレム睡眠(成長ホルモンが出る良質な眠り)が減る」「浅いレム睡眠や中途覚醒が増える」「寝がえりの回数が増えて姿勢によるいびきの変化が起きやすい」といった感じで、睡眠が浅い事で身体がリラックス状態になりにくく、気道の安定性が悪くなるのもいびき増加の一因になってくるんですよ。

要はアルコールを飲んで寝ると眠りはしやすくなるけど、浅い眠りになっていびきをかいてしまって睡眠の質を下げて翌日に疲れた感じを残しやすくなってしまうって事です!(飲む時間帯や量で更に悪化する事もあるので注意!)

 

 

 

アルコールによって鼻や喉の粘膜が腫れて空気の通りが悪くなる

お酒によって鼻や喉の粘膜が腫れて空気の通りが悪くなる確率

これも初見では嘘でしょ?言いたくなるかもしれませんが、アルコールで鼻やのどの粘膜が腫れて空気の通りが悪くなるんですよ(なのでお酒を飲んで鼻が詰まったりしたって心当たりありませんか?私はアルコールを摂取すると鼻が詰まるので点鼻薬常備しています)

 

 

さて本題に戻りますがというより、詳しく話していくとアルコールは体内で分解させる際にアセトアルデヒドという物質を生成するのですが、この成分によって血管を拡張させてしまい鼻や喉の粘膜に炎症を引き起こす事がある訳なんです。(これによって鼻が詰まる訳です)

 

 

で、それによって起こる症状なんですが、先ほども何度も言いましたが「鼻の粘膜の腫れによる鼻詰まり」だったり、「咽頭粘膜の浮腫による喉のむくみ」だったり「アレルギー反応による赤みやかゆみ(実際にアルコールによって起こる人いますね)

で結果、これにより鼻呼吸が困難になり口呼吸に切り替わると、さらにいびきを悪化させる要因になります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の人は特に要注意!アルコールで症状が一気に悪化!

飲酒と睡眠時無呼吸症候群の悪化に関するデータ

 

これは以前働いていた病院の勉強会でいびき外来の専門医の先生に教えて頂いた事なんですけど、睡眠時無呼吸症候群の人がアルコールを飲む事で余計危ないものだというのが分かったので、その情報を基に睡眠時無呼吸症候群の人がアルコールを摂取すると何故危険なのかを書いていきましょう。

 

 

元も睡眠時無呼吸症候群を持っている人が飲酒してしまうと「無呼吸の回数が増えて1時間当たり10回→30回以上になります」「血中酸素飽和度が下がってSPO2が90%以下になってしまいます」「そして起床時の頭痛・倦怠感・集中力の低下」という事が起こります(これはあくまでも短期的なアルコールの話ですが)

 

 

 

さらに、長期的になってしまうと 高血圧・心筋梗塞・脳卒中などの重大なリスクにもつながってしまうので、元々睡眠時無呼吸症候群がある場合はアルコールを飲む前にいびき外来に受診する事をお勧めしております。

 

 

 

 

 

いびきとお酒の改善方法

 

 

就寝3〜4時間前までに飲酒を終える(睡眠に入るまでにアルコール代謝を終わらせるため)

就寝前の飲酒タイミング別:いびきをかく確率

何故こういう事を言うのかというと、アルコールが体内に残ったまま眠ると筋肉が緩んで気道が狭まってしまって、いびきが発生しやすくなるんですよ。

 

 

例えて言うと体重60kgの人がビール500ml程度を退社するのに約3~4時間かかる為、飲酒は就寝の数時間前に終えるのが理想的だと言われていますが、これはあくまでも基準なので気を付けてください。

 

 

何故気を付ける必要があるのかというと、要はアルコールの時間帯を早い段階で済ませるところまでは間違ってはいないんですけど、問題は「アルコールの量をどれだけ摂取したのか?」そして「アルコールの度数がどれくらいなのか?」という事も踏まえて調整しなければいけません。

 

 

なので時間を早めて摂取を終えたにしても効果が無かった場合は、「量と度数のアルコール調節も必要」だと覚えておきましょうね!(量については詳しく下の方に書いてます)

 

 

後は寝る直前の晩酌はNG、夕食時でも軽く飲む程度、飲んだ後はすぐに横にならないって事も覚えておいてくださいね。

 

 

飲む量を控えめにする

飲酒量といびき発生率の比較

先ほどもちょろっと言いましたが飲む時間のタイミングを守れても、アルコールの摂取量が増えるほど、筋肉の弛緩や呼吸中枢の抑制が強くなりますので、時間のタイミングだけではなく量にも気を付けなければいけません。

 

 

なので以下の「節度ある適量」を簡単にまとめているので是非目安にしましょう。(厚生労働省推奨基準)

ビール(5%):500ml缶一本分ですね

日本酒(15%):180ml(要は1合分だと思ってください)

ワイン(12%):200ml

ウィスキー(40%):ダブル1杯(60ml)

 

 

※女性や高齢者はこの半分以下を目安にとも言われております。

 

 

あくまでも目安なので、じゃあこれくらいなら飲んでもOKみたいに安易に考えないでくださいね(個人差があるので同じ量でも大幅に睡眠の質を落とす相談者様の事例があったので、出来れば飲まないに越したことはありませんよ)

 

 

 

アルコール代謝を助ける為に水分をしっかりとる(アルコールの分解を早めて、体内から早く抜く)

アルコール摂取時の水分補給といびき発生率

アルコールを摂取して寝る時不安だなって思っている場合の対策法ではあるんですが、飲酒中や飲酒後に水を多く摂る事でアルコールの代謝と排出がスムーズになるので、水の代謝を行わない時よりも飲酒による睡眠トラブルが軽減されるデータがあります!

 

 

ではどんな水分方法がお勧めなのか?という事なんですが、実際にそんなに難しい事もなく「飲酒中に1杯のお酒につき1杯の水を飲む」「飲酒後にコップ2杯以上の水を飲む」「カリウムやビタミンを含むスポーツドリンクやみそ汁も有効

 

 

私も以前はこういう仕事をしているくせにアルコールで睡眠の質を落としていたタイプだったので、私の場合の体験談による対策を箇条書きで教えていきますね。

・飲み会に行った時にお酒を1杯飲んだらグレープフルーツジュース(100%)を交互に飲むようにしてます

・飲み会が終わった後は500mlのペットボトルの水を2本飲むようにしてます。

 

 

特にグレープフルーツジュースはアルコールの分解の効果もあるし、間に挟むことによってアルコール自体の摂取量を抑える事が出来ますよ!

 

 

 

酔っている日は高めの枕を使う(気道が開きやすくなる)

飲酒時における枕の高さといびき悪化防止効果

アルコールを摂取する事によって筋肉が緩んでしまって舌が喉に落ち込みやすくなってしまうので、枕の高さを調整して首と頭の位置を少し高くする事で舌が喉に落ち込みにくくなって気道が確保されやすくなりますよ。

 

 

それで枕の高さの調節に対しての具体的な目安の話をしていくんですが、枕の高さを変える際に「仰向けの場合はバスタオルで高さを変える工夫で大丈夫です(高さに関しては個人差があるので微調整できる手段の方が良いかと)」と「首だけ高くならず頭全体を支える構造の枕が良いですよ」と「リクライニングベッドを使うっていう方法もアリですが」の内容になりますね。

本当に個人差があるので、バスタオルを折って高さを調整して丁度良い高さを知ってから、オーダーメイドの枕を注文するのも良いと思うので、まずは自身に合った高さを見つけてみましょう!

 

 

 

最後に

まとめとして、いびきとお酒の関係性を理解し、改善策を実践することが大切です。アルコールがいびきに与える影響を把握し、適切なお酒との付き合い方を身につけることで、いびきの軽減が期待できます。自分に合った方法を試し、快適な睡眠を目指しましょう。

 

  1. アルコールはいびきを悪化させる
  2. お酒の量とタイミングを調整
  3. 飲酒中と飲酒後の水分を摂取

-いびきの睡眠トラブルの原因と解決法