「いびきが気になっているけれど、横向き寝で改善できるって本当?」「横向きで寝ているのに、どうしていびきが止まらないの?」こんなお悩みをお持ちの方へ、本記事が解決のお手伝いをします。




■この記事を読むことで得られること
- いびきが横向きで止まる理由
- いびきで横向きで寝るべき人のタイプ
■本記事の信頼性
本記事の執筆者は、睡眠健康指導士上級を取得しており、睡眠外来で25年以上の勤務経験を持つ専門家です。また、睡眠コンサルタント資格も取得しており、数多くの患者様のいびきの悩みに向き合ってきました。
この記事を読むことで、いびきに悩む日々から解放され、安心して熟睡できる未来が待っています。ぜひ最後までご覧ください。
いびきが横向きで止まる理由
仰向けは重力で気道が狭くなりやすい
いびきの基本的な事を話していくんですが、いびきの多くは空気の通り道である気道が睡眠中に狭くなってしまう事で発生してしまうんですね。特に仰向けで寝ていると以下に書いているようなことがあるので、いびきをかいている人は注意してみていきましょう。
-
舌が重力でのどの奥に落ちこむ(舌根沈下)
-
軟口蓋がたるんで振動しやすくなる
-
のどの筋肉が弛緩して空気の流れを妨げる
その結果、「ブーブー」「ゴーゴー」といった音が鳴ってしまうって感じでいびきをかいちゃいます!
勿論仰向けによる重力で気道が狭くなる事はあるんですが、もちろん気道が狭くなる原因は重力だけではないので気を付けていきましょうね!
ではそういった事で仰向けはいびきの確率が高いので、どうにかしたいといった気持ちが出ていると思う事から、次は早速横向きの事について話していきましょう。
横向きに寝ると舌の沈下が防げる
という事で先ほどは仰向けによるいびきが起こりやすい理由を話していきましたので、いびきを抑えるための方法としての今回の記事の本題でもある横向きについて今から話していきますね。
で、横向きで寝るとどうなるのか?というと重力の向きが変わるという事にもなるので、舌や喉の柔らかい部分が後方へ落ち込みにくくなってしまうんですよ。
で、これを具体的な流れで説明していくと「横向きに寝る」→「舌が横に自然と落ちるので気道を塞がない」→「軟口蓋の振動が減って音が出にくくなる」→「気道が広く保たれて、空気の通りがスムーズになる」という流れによって気道の確保が自然と出来て、いびきが軽減されるって感じですね。
本当にそれだけで?って思う方はいると思うかもしれませんが、実際に私に相談して頂く方もいびきで悩んでいる方が多くて対策を教えて欲しいと言われて対策で横向きをアドバイスさせて頂く事が多いです。
そしてそのアドバイスを実際に試して横向きで就寝をしていただいて、横向き寝に慣れてきたら次の日の疲れが無くなったとか、家族の方からうるさいいびきが聞こえなくなったという声は結構頂く事が多かったんですよ。
医学的な研究・データでも証明されている
横向き寝にするだけでそんなに効果があるの?っていう風に思う方もいるかもしれませんし、実際に相談を受けた時にアドバイスで対策を教える際に必ず聞かれる事でもあるので、きっと今読んでいただいている方も理屈は分かるは分かるけど「そんなに?」の気持ちでいる方も何割かはいるんではないでしょうか?
なので私は様々な公的機関のデータを調べてみて横向き寝によるいびきの改善率を調べてみて、特に権威性が高いもののデータを抜粋して以下に書いていますので、是非チェックしてみましょう!
-
日本耳鼻咽喉科学会の報告(2020年)
→ 仰向けでいびきをかく人のうち、約70%が横向きになるといびきが止まると報告 -
アメリカ睡眠医学会(AASM)の研究
→ 「体位依存性いびき」(position-dependent snoring)患者は、横向き寝でのいびき発生が仰向け時に比べて約60〜80%減少するとされています。
読んでみて分かったと思いますが、横向き寝になるだけで大半がいびきが改善しやすいというのが分かるんですね。(なのでやらないよりはやった方がいいというのは理解して頂いたかと!)
しかし、注意点もあるので次にそれを主に話していきましょう!
勿論横向きで寝る際の注意点もあります
先ほどまで確かに私は横向き寝をお勧めしましたし、実際に効果があるのは間違いはありませんが、気を付けて頂きたいのは横向き寝であればなんでも良いという訳ではないという事を覚えておきましょう!
という事でいびき改善に効果的な横向き寝を行うための注意点として以下にまとめておきましたので是非読んで合った方法で試してみてくださいね!
-
右向き・左向きのどちらでもOKですが、胃の内容物の逆流がある人は「左向き」が望ましい
-
枕の高さが合っていないと首が曲がり気道が狭くなるため、自分の首に合った高さの枕を選ぶ
-
長時間同じ姿勢だと肩が痛くなることもあるため、抱き枕を使って姿勢を安定させるのが効果的
まあ後は口呼吸で寝ている人の場合で、鼻詰まりとかのトラブルがある場合は先に鼻の治療をしてから行う様にしてくださいね!
いびきで横向きで寝るべき人のタイプ
舌が喉に落ち込みやすいタイプ(舌根沈下型)
身体的な問題で特に多いタイプとしては下が喉に落ちやすいタイプの方なのかなって印象が強いと思われますので、実際にその舌根沈下型のいびきの方に横向き寝を実施して頂く効果としては非常に高いので、私の個人的な意見としても是非試して頂きたいです。
なので実際に何故効果があるのか?という理由を具体的にまとめたものを、以下に書いているので是非チェックしてみてくださいね。
-
舌の根元(舌根)が重力で喉に落ちて、気道を塞ぐ
-
特に肥満気味・首が太い人、舌が大きい人に多い
-
仰向けになると重力で舌が後ろへ落ち込み、いびき・無呼吸の原因に
-
横向きになると舌が左右にずれるため、気道が確保されやすい
睡眠時無呼吸症候群(軽度〜中等度)
いびきの症状として特に身体に影響が出るものとして睡眠時無呼吸症候群があるんですが、実は状態によっては横向き寝によって効果が高いのは知っていましたか?
ただ睡眠時無呼吸症候群の全体に効果がある訳ではないので、以下の内容を読んで該当をしているのであれば是非試してください!
-
特に「閉塞型睡眠時無呼吸症候群(OSAS)」の場合
-
軽〜中等度の人の多くは、体位によって気道閉塞の頻度が大きく変化する
-
仰向けだと無呼吸やいびきが強く出るが、横向きに寝ると発作頻度が大幅に減少することが多い
注意点としてはあくまでも生活習慣の見直しの部分が改善の為の対策として大きく締めていますので、横向き寝で対処しながら出来れば減量と運動をやっていきましょう(首回りの脂肪を落とすだけで改善しやすいです)
後、睡眠時無呼吸症候群の症状が重度の場合に関しては病院にいって対策をしてから(検査とCPAP)、生活習慣の見直しをやりながら横向き寝を試すようにしましょう。
※いびきで病院を検討している方で初めての方はこちらの記事を読んで参考にしてくださいね。
-
-
いびき治療の病院の選び方と選ぶ基準|数字を使った具体的な解説
「いびきがうるさくて家族に迷惑をかけている」「自分のいびきが原因で睡眠の質が低下している」 こんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。治療と病院選びに関する情報を提供し、あなたの悩みを解決す ...
続きを見る
※CPAP治療についてはこちらに詳しく書いているので、是非こちらを読んでくださいね。
-
-
CPAPでいびきが治らない方も解消!?|数字を使った具体的解説
「CPAPを使用しているのにびきが治らない」悩みではありませんか?本記事では、そんな悩みを解決するために、CPAPの使用方法や効果、使用に関する疑問、トラブルシューティングに関して詳しく解説しますこの ...
続きを見る
飲酒や疲労によっていびきが悪化する人
まあこれは基本的に身体的な疲労と精神的な疲労があったり、普段飲酒される方が良く悩まれているタイプだとは思いますが、実際に私に対していびきの相談をされる方も疲れている方やアルコールの摂取が元々多い方もいらっしゃったんですよね。
お酒といびきって何で関係すんの?って気持ちになるかもしれませんが、その疑問と横向き寝が良い理由を含めてまとめたものを以下に書いているので是非該当している方は読んでみましょう
-
お酒を飲むと筋肉がゆるみ、喉が狭くなりやすい
-
強い疲労があると舌や喉の筋肉が緩み、気道がふさがりやすくなる
-
この場合も重力の影響を受けにくい横向き寝が効果的
で、アルコールや疲れによるいびきの横向き寝による効果としては、実際のところ程度によりますが高めって感じですかね。
特に疲れについては夜の寝る前のリラックス習慣を付けたり、アルコールに関しては寝る時間の4~5時間までには摂取を終わらせるようにした方がいいでしょう。(なので平日の夜はお酒を止めてリラックス習慣を行う様にした方が良いです!)
肥満体型・首が太い人
肥満体型というよりは首回りに脂肪がある人はいびきをかきやすい傾向が非常に強いのですが、実際に横向き寝をしてどれくらい効果があるのかというと、脂肪次第ではありますが、そこまで高くないのかなって感じで覚えておきましょう。(本当にどれくらいの脂肪の付き方かって事なんですよね)
で、首の脂肪が多い人が何故肥満になりやすいのか、そして横向き寝が効果ある場合があるのかの理由を以下にまとめてあるので、太っている方はチェックしていきましょう。
-
首まわりに脂肪がついていると、気道が狭くなりやすい
-
仰向けで寝ると首の重さで気道がさらに圧迫される
-
横向きにすることで、気道の圧迫が軽減されやすい
首回りといびきの関係については詳しく書いている記事があるので、こちらで該当している方で対策したい方は是非読んでみてくださいね。
-
-
首回りのダイエットでいびきが改善する理由|数字を使った具体的解説
「首回りのダイエットでびきを改善したい」「いびきと首の脂肪の関係が気になる」というお悩みを抱えている方に向けて、この記事では具体的な解決方法をご紹介します。 ...
続きを見る
横向き寝だけでは効果が出にくいタイプ
勿論中には横向き寝が向いていないタイプもいますので、これを読んで該当していたら最初に該当してある事から対策してやっていきましょう!
①鼻づまり(アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎):鼻の問題には耳鼻科に直ぐに行って鼻の通りを良くしましょう!
②顎が小さくて下顎が後退している:これについては詳しく書いている記事があるので、こちらの記事を詳しく読んで対策していきましょう!
-
-
顎が小さいといびきが起こる原因と対策|数字を使った具体的解説
「顎が小さいことでいびきが気になる」「顎の形と睡眠にどんな関係があるのか知りたい」というお悩みをお持ちではありませんか?この記事では、顎が小さいことでいびきをかきやすくなる理由や、その対策について詳し ...
続きを見る
③重度の睡眠時無呼吸症候群(AHI30以上):これは先ほど書きましたが、先に病院に行って対処療法(CPAP)をしながら生活習慣の見直しをやっていきましょう。(そのまま放置で横向きになっても慶応義塾大学の睡眠ポジショニング研究調査によって約27%で効果が見られなかった事が分かっています)
最後に
横向き寝は、いびきを防ぐための効果的な方法です。この記事では、横向き寝によるいびき防止のポイントや具体的な対策を紹介しました。以下に要点をまとめます。
- 横向き寝は気道を確保しやすい
- 枕やマットレスの選び方が重要
- 生活習慣改善もいびき対策に有効
横向き寝を実践して、いびきの悩みを解消し、快適な睡眠を手に入れましょう。