睡眠障害の様々な原因と改善法

お酒で覚醒して眠れない真実と対策とは|数字を使った具体的な解説

「お酒を飲むと、逆に目が冴えて眠れなくなることってありませんか?」「アルコールが睡眠に与える影響について詳しく知りたい!」そんなお悩みをお持ちの方に、この記事が役立ちます。

 

眠れないハム子
眠れないハム子
お酒って眠りやすくなる印象が強いんですが、覚醒しやすいんですか?
はい!結構それで困っている方多いですね
カワウソ睡眠先生
カワウソ睡眠先生

お酒によって覚醒して眠れない人の確率

眠れないハム子
眠れないハム子
良かったらお酒で覚醒して眠れなくなる原因と対策を教えてください
分かりました!お酒で覚醒して眠れなくなる原因と対策を数字を使った解説で説明していきましょう。
カワウソ睡眠先生
カワウソ睡眠先生

■本記事の内容

  1. アルコールが引き起こす睡眠障害の原因と確率
  2. お酒を飲んで眠れなくなる対策方法

 

 

■本記事の信頼性

本記事の執筆者は、睡眠健康指導士上級を取得しており、睡眠外来で25年以上の経験を持つ睡眠コンサルタントです。そのため、科学的根拠に基づいた信頼できる情報をお届けします。

 

 

アルコールが睡眠にどのような影響を与え、どのように対策すればよいかを理解することで、夜間の覚醒から解放され、質の高い眠りを手に入れることができます。この記事を読み終わった後には、お酒と上手に付き合いながら快適な睡眠を得るための知識が身につくでしょう。5分で読めるので、ぜひ最後までお読みください。

 

 

今回の記事については以前働いていた病院の患者様の統計的な事もありますし、現在の相談者の方の症状の統計を基に書いております。(画像に使う数字も公的機関も参考にしていますが、以前働いていた病院での勉強会の資料や、現在の睡眠コンサルの相談者の統計と統合している部分もありますのでご了承くださいね。)

 

 

お酒により覚醒して眠れないメカニズム:5つの主な原因

 

眠れないハム子
眠れないハム子
ではまずアルコールによって何故覚醒して眠れなくなってしまうのか?を知りたいです
分かりました!ではアルコールで覚醒して眠れない原因から詳しく話していきますね!
カワウソ睡眠先生
カワウソ睡眠先生

 

 

アルコールの「覚醒 rebound(リバウンド)」効果

アルコールの通常摂取量でもリバウンド効果によって眠れなくなる確率

これはどういう事かというと、アルコールを摂取した後すぐは中枢神経を抑制する作用があって眠気やリラックス感をもたらしてくれるんですが、ただ問題があって肝臓で分解が進むと逆に脳を興奮させる覚醒反応が起こるって事ですね。(そうやって夜中頻回に起きるお酒好きの方多いですね)

 

 

なぜそうなるのかを詳しく流れで説明していくと以下の流れになるので、詳しく知りたい方は以下のポイントを読んでみてくださいね。

  • アルコール → 脳内GABA(抑制系)を増加 → 一時的に眠くなる

  • 数時間後 → アルコール分解 → グルタミン酸(興奮系)が過剰に働き出す

  • 結果 → 夜中や明け方に覚醒してしまう

 

 

典型的な症状はどんなものがあるのかって事なんですが、結構以前働いていた病院や相談者の方でも以下の事を多く訴えていましたね。

  • 就寝から3〜4時間で目が覚める

  • その後なかなか寝付けない

  • 頭が冴えてしまう感覚

 

特に多いのが就寝から3~4時間で目が覚める方がダントツで多いですね。

 

 

ノンレム睡眠が浅くなり睡眠の質が下がる

アルコールによってノンレム睡眠が浅くなり睡眠の質が下がる確率

簡単に言ってしまうとアルコールは深いノンレム睡眠といって徐波睡眠を減少させることで知られているんですが、特に筋肉や免疫機能、そして脳の修復を行う回復睡眠というものが阻害されてしまうんですね。

 

 

その状態で起こる問題点というものが、浅い睡眠が増えて脳も身体も十分に休まらないといった事が増えたり、小さな音や刺激で目が覚めやすくなったり、朝起きた時に寝た気がしないと感じてしまう方も多く、特に相談の中で一番良く耳にするのは「朝起きた時に寝た気がしなくて疲れが取れない」といった事を多かったですね。

 

 

なので、普段寝る前にアルコールを摂取されている方が、こうやって睡眠の質を落としていくという訳なんですね。(相談がそれだけ多いので)

 

 

 

レム睡眠の「リバウンド現象」による夢見やすさ・覚醒

アルコールによるレム睡眠の「リバウンド現象」による夢の見やすさ・覚醒を起こすリスク

簡単にレム睡眠の事を説明するとレム睡眠は夢を見る浅い睡眠の時間なので、それを踏まえて説明を続けていくとアルコールは入眠直後のレム睡眠を抑制して、後半に一気にリバウンド(反動)としてレム睡眠が増える事があるんですね。

 

 

ではその結果どうなるのか?って事なんですが、「夢をたくさん見る(悪夢になる事もあります)」「睡眠が浅くてレム睡眠のタイミングで目覚めやすくなる」「頭が疲れてスッキリしない」といった事が起きますね。

 

 

実際に相談される中でどれも多かったんですね。(勿論以前働いていた病院での患者さんの訴えとしても多かったですよ)

 

 

 

利尿作用による夜間頻尿・脱水

アルコールによって利尿作用による夜間頻尿・脱水で覚醒する確率

これはどういう事かというと、アルコールには抗利尿ホルモンであるバゾプレシンを抑制する作用があって、尿の量が増えるといった性質がありますが、簡単に言うとお酒を飲んだ日に夜中おしっこしたくて起きちゃうって感じです。

 

 

その結果どうなるのかって事ですが、夜中にトイレに起きる回数が増えて、増えるたびに睡眠が中断されるんですね。(特にアルコールを摂取して睡眠してしまう事で軽い脱水症状で喉が渇いて目覚める事もあるんですね)

勿論飲酒だけがトイレで起きてしまう訳ではなく、他の原因でも夜中に起きてしまう事もあるので、もしアルコール以外で夜中トイレに起きて困っているという方は、こちらの記事を読んでみてくださいね。

 

 

 

低血糖・交感神経の過活動

アルコールによって低血糖・交感神経の過活動で覚醒する確率

これはちょっと分かりにくいかもしれないので、出来る限り分かりやすく説明できるように努力しますね!

 

 

簡単に言ってしまうとアルコールは血糖値を一時的に下げる作用があって、肝臓がアルコールの分解に集中する事でブドウ糖の放出が低下してしまうって感じですね。

じゃあ、それによってどうなるのか?って事なんですけど、「夜中に低血糖状態→冷や汗・動機・不安感が出て目が覚めてしまう」「で、その時に交感神経と言って興奮しやすい要素が活発になってしまって眠れなくなる」といった感じですね。

 

 

 

 

 

お酒により覚醒して眠れない時の対策法

眠れないハム子
眠れないハム子
結構アルコールでも睡眠の質って下がるんですね。対策を知りたいです!
分かりました!では対策法として対処法のものと根本的なものとで解説させて頂きますね。
カワウソ睡眠先生
カワウソ睡眠先生

飲酒のタイミングを見直す(就寝3時間前まで)

飲酒のタイミングを見直す事で中途覚醒して眠れない悩みを改善できる確率

なぜ有効なのか?って事から理由を詳しく話していくと、アルコールは摂取後に肝臓で分解されてアセトアルデヒドなどの刺激物質に変化して数時間後に脳を覚醒させてしまうんですね。

そして就寝直前の飲酒によって覚醒タイミングと睡眠の深い時間帯が重なってしまう為途中覚醒が起こりやすくなってしまうんです。

なのでそれが起こらない様に対策の以下のポイントを押さえておきましょう。

①寝る3~4時間前までには飲酒を終える事が大事なんですね。

②就寝時間が22時ならば、19時までに飲み終えるのが大体理想ですかね。

③量を抑える事で代謝負担も軽減できます。

 

 

特に実践してほしいものとしてまとめていくと、寝る3時間前までには飲酒を終えて、飲酒の摂取量が多いのであれば量を減らす事も大事だという事で覚えておきましょう。

 

 

アルコール量をコントロールする

アルコール摂取量と中途覚醒の関連性

 

どういう事かというと飲み過ぎると深い睡眠が減って睡眠が浅くなってしまうので、利尿作用や低血糖を引き起こすリスクも高まってしまうんですね。

なので、その為の対策というのは量を減らすという事です。

量を減らす?どれくらい減らせばいいの?って事なんですが、相談された際に大体のアドバイスの内容を下に書いておきますね。

 目安量として(日本人成人男性の場合、というか相談者の中で多いので、その基準で)

  • ビール中瓶(500ml)1本

  • 日本酒1合(180ml)

  • ワイン180ml

上記の量位がいいでしょうね(当然先ほどの飲むタイミングを守る事も前提にはなりますが)

 

 

飲酒後は必ず「水分を補給」する

飲酒後は必ず「水分を補給」する事で中途覚醒して眠れない悩みを改善できる確率

これはどういう事かというとアルコールの利尿作用で身体が脱水状態になってしまうと、夜中の覚醒や喉の渇きの原因になってしまうんですね。

 

 

なので対策法としてはそんなに難しくないので、以下にまとめた方法をやってみてください(コーヒー好きな方にとっては簡単ではありませんが)

  • 飲酒と同時に水をこまめに飲む(1杯の酒に対して1杯の水)

  • 寝る前にもコップ1杯の水を飲む

  • カフェイン飲料は避ける(交感神経を刺激して逆効果)

 

 

就寝前にリラックスできる習慣を取り入れる

就寝前にリラックスできる習慣を取り入れる事で中途覚醒して眠れない悩みを改善できる確率

アルコールに頼らず自然な眠気を引き出すといった根本的な改善の工夫も必要にはなってくるんですね。(まあアルコール自体は睡眠導入の助けになるように感じで確かに気持ちは分かるんですけど、実はリラックス習慣で代替できる方法が沢山あるんですね。)

アルコールは睡眠導入の助けになるように感じますが、リラックス習慣で代替できる方法がたくさんあります。

 

 

その方法を以下にまとめていますので見てみてくださいね

深呼吸・腹式呼吸:副交感神経を優位にして心拍を下げる

寝る前のストレッチ:筋肉の緊張をほぐし、入眠を促す

アロマ(ラベンダー・カモミール):自律神経を整える香りで睡眠の質を向上

音楽(α波ヒーリングなど):脳波を落ち着かせ、寝つきやすくする

 

 

 

 

 

 

寝室の環境を整える(睡眠の質を底上げ)

寝室の環境を整える事で中途覚醒して眠れない悩みを改善できる確率

入眠をアルコールで頼らなくても、夜中の覚醒を防ぐための環境作りが重要ですし、それで改善する事も全然あります!

 

 

ではどういった方法で環境を整えていくのか?って事なので、以下に簡単にまとめておきますね。

室温:夏:26〜28℃、冬:18〜20℃

湿度:50〜60%

光:間接照明、真っ暗に近い環境が理想

スマホ:寝る1時間以上前から使用を止めましょう

 

 

室温と湿度の問題は特に寝る時の睡眠環境としても非常に大事なものになってくるので、是非こちらを読んで対策してくださいね。

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また寝る前のスマホを含めたブルーライトの使用は基本的に睡眠トラブルを多く引き起こしてしまいますので、スマホと聞いて心当たりがある方はこちらも読んで以後の対策に活かしてくださいね。

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それでも改善しなかった場合は医療機関を頼りましょう

この場合になってくると、結構なアルコール依存症になってしまっている可能性が高いので、上記の5つを実施してみてどれもダメだった場合は他の病気(糖尿病)かアルコールの依存症、そして薬の副作用を疑わなければいけません。

 

 

そうなってくると流石にアルコール依存の対策をしたり他の病気の対策を行った上で、睡眠トラブルを対策しなければいけないので、上記5つの方法を試してダメだった場合は諦めるではなく、直ぐに専門医に相談するようにしましょう。

 

 

 

最後に

 

  1. アルコールは睡眠を妨げる原因
  2. 寝る前の飲酒は控える
  3. 良い睡眠環境を整える
  4. 生活習慣の改善が大切
  5. 必要なら医療機関へ相談

お酒が睡眠に与える影響を理解し、適切な対策を取ることで、より良い睡眠を手に入れることができます。快適な眠りを得るために、日常の習慣を見直し、健康的なライフスタイルを心がけましょう。

-睡眠障害の様々な原因と改善法