「お酒と睡眠薬を一緒に飲んでも大丈夫?」そんな疑問をお持ちではありませんか?この記事では、お酒と睡眠薬を同時に使用するリスクや健康への影響について、専門的な知見をもとに解説します。
不眠に悩む方にとって、どちらがより安全で効果的かを理解し安心して適切な選択ができるようサポートします。




■この記事を読むと得られること
- お酒と睡眠薬を併用することで起こるリスクや危険性
- お酒と睡眠薬を併用した際の対処法
■本記事の信頼性
この記事は、25年以上の睡眠外来での勤務経験を持ち、睡眠健康指導士上級資格を持つ執筆者が監修しています。不眠や睡眠薬に関する豊富な知識を基に、信頼性の高い情報をお届けします。
この記事を読んで、正しい知識を身につけた上で、不眠を改善し、健やかな毎日を手に入れましょう。
今回の記事の内容としては以前睡眠外来に働いていた時に実際に起こってしまった事を事例として書いてます!
お酒と睡眠薬を併用すると凄く危険な理由とは!?
①呼吸抑制(こきゅうよくせい)による命の危険 危険度★★★★★
アルコールと睡眠薬の併用で呼吸抑制による危険って大げさじゃないんですか?って思うかもしれませんが、普通に危険だとはっきり言っておきます。(上の画像を観て頂いたら分かると思いますが、結構高確率です)
その理由としてはアルコールと睡眠薬の効果の一部には両方が脳の中枢神経を抑える効果があるんですが、特に延髄という呼吸をコントロールする脳の部分が強く抑制されてしまうので、結果どうなってしまうのか?って事ですが実際の事例を以下にまとめておきますので読んでいきましょう!
・息を吸ったり吐いたりする力が弱まる
・無意識のうちに呼吸が浅くなるか、完全に止まる可能性がある
そして上記の事が眠っている間に起こるため、誰にも気づかれにくく非常に危険です。
どれくらい危険かというと実際に毎年併用による死亡例も報告されていますし、私が以前働いていた病院でも死亡例が挙がってますので命が惜しければ併用を止めましょうとしか言いようがありません。(もしやめれないのであれば専門医との相談は必ずしてください!)
②意識障害・昏睡(こんすい)状態に陥る可能性 危険度★★★★★
これも実際にアルコールと併用していた当時の患者様がお酒と併用する位で昏睡は大げさでしょ?って言われたことがあるんですが、まず最初に行っておくと死亡例もあるし、医療機関での緊急処置をされた例は全然あります!
何故それくらい危険なのか?を詳しく話していくと、お酒と睡眠薬を一緒に摂取してしまうと通常の「眠り」とは違って「昏睡状態」に入ってしまう事があるんですね。
これは外から声をかけたり揺すっても全然反応が無く、目を覚ます事が出来ない意識障害の状態になるのですが、これは脳の活動が一時的に低下してしまうので、自力で呼吸する力も弱くなってしまって先ほどの①の呼吸トラブルも重なってしまっているので非常に危険なんですよね。
危険な理由としては体温も下がってしまって命を守るための身体の働きも鈍ってしまうので、それで一人暮らしの方が無くなった例もある位です。
③ふらつき・転倒によるけがのリスク 危険度★★★★
これはアルコールと睡眠薬を摂取した後の行動の中で起こってしまう事故のケースになるんですが、実際の事例で言うと大体が頭がボーっとしている状態になっているので例えば転んだ際に受け身を摂る事が出来ない(通常では防衛本能の為無意識に受け身を取ろうとする)ので、直接頭をぶつけてしまって大事になったという事例は少なくありません。
何故そういうことが起こってしまうのか?を詳しく書いていくとお酒や睡眠薬は筋肉を緩めてしまって身体のバランス感覚を低下させる作用があります。(飲酒によっては頭がボーっとする事も全然ある)
なので、その時立ち上がった時にふらついたり真っすぐ歩けなくなったりして、特に夜間にトイレに立つときなど(特にアルコールの摂取によって頻尿になりやすい)に転倒して骨折したり頭を打ったりの事故に繋がったりっていう感じなんですね。
更に高齢者の場合は店頭によって寝たきりの原因になる事があるので本当に注意が必要です。
特にふらついて転ぶ際一番危険な所は普段は平気な段差がある場所になります!
誤嚥(ごえん)による窒息の危険 危険度★★★★
これを見た瞬間に寝ながら何かを食べてるの?じゃあ食べないから大丈夫だよ!と思っているあなた!全然違います!特に吐くくらい飲んでいる人は絶対に読んでおいてください!
どういう事?ってなるかもしれませんので詳しく理由を話していくと、睡眠薬やアルコールで意識がぼんやりしている時に嘔吐した場合は吐いたものがのどに詰まってしまう事があるんですが、これを「誤嚥」と呼んで放置してしまう事によって窒息してしまう可能性は全然あるんですね。
特に泥酔状態になっている時に仰向けのままで寝てしまっていると大変危険で、自分で身体を起こす事が出来ずに誰かに気づかれなければ命を落とす事も全然あります。
この例では年齢差は無くて実は若年層にも死亡例がある位に危険な事なんですよね。
低体温症のリスクがある 危険度★★★
これは実際にあった事例というか体験談から話していくんですけど、私が30代の頃だったんですけど家の向かいに個人の居酒屋があったんですが、そこで飲まれたお客様が店の前の駐車場に止めていた車の中で寝ていて、朝起きていたら亡くなっていた状態になって警察関係者が朝居酒屋の前に複数いらっしゃった事を覚えています。(事故の全容を知ったのは、私のお隣さんが居酒屋で働いてて普段よく喋っていたので知る事が出来ましたし、お酒で睡眠薬を摂取してたとの事でした)
さて、これが起きた時期は冬場だったんですがアルコールと睡眠薬を併用すると余計危険で、どういう事かというと併用する事によって血管を広げる作用があって身体の熱を外に逃がしやすくしてしまうんですが、その結果として冬場や冷房の効いた部屋などでは更に体温が下がりする事によって「低体温症」になってしまうリスクがあるんですよ。
体温が35度以下になってくると筋肉がこわばって震えが止まらなくなってしまい、最終的には心臓の働きも弱めてしまいます。特に屋外や布団を掛けずに寝てしまった場合は危険なので、気温も結構問題になったりもします。
依存症になりやすくなる
これは実際にめちゃくちゃ多いです!命の危険とは別物にはなってくるのですが、実際に以前働いていた病院の患者様本人やご家族の方に話を伺った事もあるのですが、社会的なリスクが大きいものとして捉えるべきなのではないのかなと思います(睡眠薬をお酒で摂取しようとしてる人は絶対見て!)
どういう事かというとお酒も睡眠薬(根本療法を全く行わない場合)も続けて使っていく事によって「効きにくくなってしまう」事によって量が増えてしまう事があるんですね。
これを「耐性が付く」というんですが、それが更に進んでしまう事によって「依存症」となってしまう事で、使わないと眠れないし落ち着かないといった状態になってしまうんですが、依存症になってしまうと本当は止めたいのに止められずに、仕事や人間関係にまで悪影響が及んでしまいます(これによって仕事や大学を止めてしまったという方も少なくはありません)
実際にこの依存症を自力で改善する事自体は難しくて、最終的には医療機関の治療が必要になってくるケースがほとんどでしょうね。
番外編 記憶がとびやすくなる(健忘症状) 自分の中の色んなものが死にます ※知り合いの体験談アリ
最初に睡眠薬とアルコールの併用と健忘症状の関係性を詳しく話していくんですが、ベンゾジアゼピン系の睡眠薬を飲むと、「前向性健忘(ぜんこうせいけんぼう)」という症状が出ることがあります。
これは薬を飲んだあとに起こった出来事をまったく覚えていないという状態です。
さらにアルコールを加えると、そのリスクがさらに高まり、翌朝起きたときに「何をしたか分からない」という不安な状況になります。
SNS投稿や金銭のやりとりなどのトラブルにもつながりかねませんし、私の友人の話ですが睡眠薬とアルコールを一時期併用していた時期があって、今は大丈夫なんですが当時一つだけ大変な事があって巻き込まれたことがありますwww
それは友人が急に夜中に電話がかかってきて、「俺の嫁と浮気してるだろ!」って急に言われたんですが、当然ですけど身に覚えもありませんし友人の嫁さんのお兄さんは私の上司(医師)ですが?下手な事できませんが?って感じなのを、相手も知っているはずなのに、、、。
で、呂律があまり回ってなくてしばらくしたら受話器越しにいびきが聞こえてきたから翌日に話を聞くかって事で、翌日に「昨日のあれはなんやったん?」って聞いたら友人は「え?なんかあったん?」って言われて「お前マジか!?」ってツッコミましたよね!(内容聞いたら爆笑されましたけど、こっちは笑えない)
まだ可愛いものですが、エグイのもありますよ(知らない間にFXで数百万円とかしたとか聞いたことありましたし)
お酒と睡眠薬を併用してしまった時の対処法(状況別解説)
飲んでしまった直後(気づいたばかり)の対処法(要はうっかり系です)
これは結構起こりがちというか、本当に自然の流れでやってしまったみたいな事としてありはするんですね。(特に宅のみとか)
で、相談者の中で質問される事も何度かあったので、もしそういった事があった際にどうするべきなのか?というのを詳しく以下にまとめていますので、チェックしていきましょう。
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すぐに服薬をやめる
もしアルコールを飲んだあとに「睡眠薬をこれから飲もうとしていた」と気づいた場合は、絶対にその日は服用を中止してください。睡眠薬は1回でも併用すると危険です。(これは徹底してください) -
水を多めに飲み、横にならない
すでに睡眠薬も飲んでしまっていた場合、薬やアルコールの吸収速度を少しでも遅らせるためにコップ2〜3杯の水をゆっくり飲み、座って休むようにしてください。嘔吐を無理に誘発するのは危険なので自己判断では行わないでください。(寧ろ出来るなら寝ない方が良いかも) -
家族や同居者にすぐ伝える
一人では危険を察知できなくなる恐れがあるため、「お酒と睡眠薬を一緒に飲んでしまった」と周囲に必ず伝えましょう。誰かがそばにいて観察できる状態が安全です。(なので宅のみとかで飲んでしまった場合は友人に泊まってもらう様にしてください)
要は服用する前なら飲まない!飲んでしまったら近くに誰かいるなら報告して観察してもらう!水を多めに飲んで寝ない!(次の日仕事なら休んでください!どっちみち翌日に悪影響が出るリスクあるので!)と覚えておいてください
体に異常を感じた場合の対処法(これはタイミングが大事になります!) ※客観的要素
お酒と睡眠薬を服用してしまった場合で、もし身体に以下の違和感や症状がある場合は、迷わず即「119」に連絡して救急搬送を依頼してください!(一緒に過ごされている家族様は特に読んで欲しいです)
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意識がもうろうとしている・応答が鈍い
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呼吸が浅い・遅い・止まりそうになる
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嘔吐したあとに反応がない
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ぐったりしていて目が覚めない
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けいれんが出ている
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そして救急車が来た時に救急隊員の方に対して冷静に話せるならば良いのですが、この時思っている事を全て話さなくても要点だけ伝えるようにしましょう!
なのでこの時に確実に伝えるべき要件としては「何をどれだけ飲んだか」だけしっかり把握して伝える様にしてください!
伝える内容としては「いつ」「どの睡眠薬を」「何mg」「把握しているならどれくらいのアルコール量と一緒に飲んだのか」の内容になりますが、薬の名前やmgが分からない時は薬袋やシートやお薬手帳を持っていくと対応が早くなります!
翌朝、体調に違和感があるときの対処法
ぶっちゃけて言いますが、一番の対処法としてはその日の予定を一旦全部キャンセルしてください!(特に運転や仕事等)
どういう事かというとアルコールと睡眠薬の代謝が残っている可能性があるので、たとえ一晩寝たとしても判断力や反射神経が低下している事があって、この状態で運転すると重大な事故に繋がりやすく非常に危険なので、特に「めまい」「頭痛」「ふらつき」がある場合は絶対に運転や機械操作は止めましょう(仕事を休みましょう)
そしてよくあるのが、翌朝に「吐き気」「ふらつき」「記憶が抜けている」「動機がする」みたいな症状が残ってしまっている場合は、医師に必ず相談するようにして対策をしてください!(今後の服薬管理についてもしっかりと指導を受けるべきです)
定期的に併用してしまっている人の対処法
これについては定期的に併用してしまっているという事は、基本的に依存傾向がある可能性が極めて高いという事になるので、有無を言わず早めに専門医を受診する事を強く推奨します!
理由としては「お酒を飲まないと眠れない」「睡眠薬と一緒に飲んだ方が良く眠れる」と思っている人は、すでに依存の初期症状が出ている恐れがあるので、この場合は精神科や心療内科、または「睡眠外来」などの専門医に相談をする必要性が大いにあるんですね。
で病院に行った時に何をしてほしいのかと言いますと、結論的に言うと「薬物療法の見直しと心理的なサポートを受ける事」なんですよ!
どういう事かというと実際に医師はアルコールとの相互作用の少ない薬への変更を検討したり、薬を使わない睡眠改善法(認知行動療法)を提案するケースもあるので、基本的に定期的にお酒と服用している方は自分だけで判断や我慢するのはお勧めできません(様々な患者様と関わった私がキツい一言を言いますが、いつまでたっても社会復帰できませんよ!マジで!)
最後に
まとめとして、お酒と睡眠薬の併用はリスクが伴うため、注意が必要です。この記事では、アルコールと睡眠薬の相互作用や健康への影響について解説しました。以下が重要なポイントです。
- お酒と睡眠薬の併用は危険
- 相互作用で健康被害が発生
- 睡眠薬は医師の指導のもと使用
- お酒は睡眠の質を低下させる
- 長期的には生活習慣改善が重要
- 医師に相談し正しい対策を